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マッチ&マリッジ教師
第3章 たっち
教務主任教師の説明。

「えー、本来ならば、ユウジ先生には2年E組のクラス担任教師になっていただくところ、あいにく生徒数が1名なので、ムリです」
ま、そうじゃないかと思っていた。
しかし、このみゆきの教育は、どうするんだ?

「そこで、クラスでなく、部活という体裁をやむをえず取ります。ユウジ先生は、その部の顧問教師として勤務をしていただきます」
うーん。
「部員は、そこにおられるみゆき、さん。活動場所は、2年生教室棟の西端の教室とします」
ひどく端に追いやられるんだな?
「え、え、これは、やむをえず、と申しましょうか、え、なんというか、他の4クラスが、その、まだ、実技の段階に入っていない、ので…」
実技とは、ぶっちゃけエロ行為、エッチ、セックスのことである。

これについては、少し説明を補足しておこう。
他の4人のマッチ&マリッジ教師たちは、たしかにこの3か月間、クラスの生徒となる候補たちとのテレビ電話によるコミュニケーションを取ってきているが、その1人当たりの時間数は非常に短く、けっきょくは教室においても教壇と生徒席との間に透明アクリル板を設置し、アクリル板を挟んで対面する形を取らざるを得ないということだ。少なくとも、最長で3か月、最短でも1か月は緩衝期間を置く必要があった。
僕とみゆきは、初対面でいきなりエロ行為をした間柄なので、その辺りはすっ飛ばしたのである。

教務主任教師の説明に、戻る。
「ただ、教科の授業は、タッチパネルの端末で行うので、支障はないかと」
へいへい。
「それで、活動時間ですが。これは、事実上のクラスであるので、朝の始業時刻から、開始となります。そして、これは事実上のマッチ&マリッジ活動なので、終了時刻はおまかせ、となります」
おまかせ、というのは、朝まで可能という意味だ。
「6限終了時までは、普通教室で活動してください。その後は、特設ルームに移動してください。移動の際は、くれぐれも他の4クラスの生徒たちと接触しないようにお願いします」
これは、みゆきを見るのを回避する目的と、もう1つは女子生徒たちの不倫願望をいたずらに刺激しないようにという忠告だ。
マッチ&マリッジクラスの、担任と生徒との関係は、夫と妻だから。
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