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粗治療
第1章 きっかけ
そんなことを考えている間にも
彼女はどこからか花瓶を持ってきて手早く花を生けた
窓を開けると吹きぬけた風に乗り甘い香りが微かに漂った
「ねぇあなた、どうしていつも何も話してくれないの」
まっすぐこちらを覗く顔
「私何か気に触るようなことしちゃったかな…」
そうじゃない
ただ僕は自分の置かれている不運を
まだ受け入れることができていない
「見舞いにきた学校の子が話してるのきいた、
スポーツ推薦で大学決まってたんだよね。
…何がしたかったの?」
答えようと、今日こそは何か声に出し、
自分が生きている証明をしよう
そう思っても声が出なかった
彼女はどこからか花瓶を持ってきて手早く花を生けた
窓を開けると吹きぬけた風に乗り甘い香りが微かに漂った
「ねぇあなた、どうしていつも何も話してくれないの」
まっすぐこちらを覗く顔
「私何か気に触るようなことしちゃったかな…」
そうじゃない
ただ僕は自分の置かれている不運を
まだ受け入れることができていない
「見舞いにきた学校の子が話してるのきいた、
スポーツ推薦で大学決まってたんだよね。
…何がしたかったの?」
答えようと、今日こそは何か声に出し、
自分が生きている証明をしよう
そう思っても声が出なかった