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愛妻ネトラレ 久美子
第8章 お得意先への奉仕派遣(専属秘書)
『さぁ、次の取材に行きましょうか』
仕事に情熱を持ち、バイタリティーの塊のような野瀬。
休むことなく、飽くことなく、次々と取材をこなし、記事をおこしていく。
『ちょ、ちょっとひと休みさせて下さい』と言える立場ではない久美子、だがその本心は顔に表れてしまっていたのであろう。
『…あ、すいません。疲れちゃいますよね、ちょっとコーヒーブレークでも入れましょうか』野瀬は申し訳なさそうに、ちょっと翳った笑顔で久美子に声をかける。
『いえ、こちらこそ、すいません。お気をつかわせてしまって…。でも本当、野瀬さん、モチベーションが凄いですね』と久美子。
『いやいや、夢中になると周りが見えなくなるまで熱中してしまうだけで…、今までもそれで何回も失敗してるんで、気をつけるようにはしていたんですが…』
俯きかげんで話す野瀬、しかし一転笑顔を見せたかと思うと『やっぱり美人の専属秘書がいると調子にのってしまっていけませんね!』ハハハッと太陽みたいな笑い声をあげる。
『まぁ、じゃあ私のせいですね。申し訳ございません』と久美子が真面目な顔で頭を下げると、『いやいや、久美子さんのせいじゃないよ。冗談、冗談。いや、美人の専属秘書ってのは冗談じゃないけど…』らしくなく、しどろもどろで取り繕う野瀬に対し、久美子はペロッと舌を出しウインクする。
『あ~ッ、やられたッ』と言って大笑いする野瀬。
久美子も一緒に声を出して笑う。
一時の安らぎを共有した二人は、心の距離も更に少し縮め、次の取材へと向かうのであった。
『ファッションホテル?』
次の取材先のことを久美子が尋ねると、野瀬はいつもの感じと違い、歯切れ悪く答えた。
『ファッションホテルって、いわゆるラブホ?』久美子が、再び訊ねると野瀬は無言で頷いた。
『昨今のお家時間をどう過ごすか、という課題の中で愛情を育てる場所としてファッションホテルが脚光を浴びている一面があるんだよね』と野瀬。
ある雑誌からの依頼で、人気ファッションホテルの特集を記事にしてまとめてほしいらしい。
『ファッションホテル巡り…ですね』仕事とは言え、男女の営みの為のホテルを訪れるのは久しぶりの久美子。
何もないと分かっていても、そういう場所を訪れることにドキドキしてしまうのは、単に久々だからか、野瀬と一緒だからか、更に言えば何かを期待しているのか、分からなかった。
仕事に情熱を持ち、バイタリティーの塊のような野瀬。
休むことなく、飽くことなく、次々と取材をこなし、記事をおこしていく。
『ちょ、ちょっとひと休みさせて下さい』と言える立場ではない久美子、だがその本心は顔に表れてしまっていたのであろう。
『…あ、すいません。疲れちゃいますよね、ちょっとコーヒーブレークでも入れましょうか』野瀬は申し訳なさそうに、ちょっと翳った笑顔で久美子に声をかける。
『いえ、こちらこそ、すいません。お気をつかわせてしまって…。でも本当、野瀬さん、モチベーションが凄いですね』と久美子。
『いやいや、夢中になると周りが見えなくなるまで熱中してしまうだけで…、今までもそれで何回も失敗してるんで、気をつけるようにはしていたんですが…』
俯きかげんで話す野瀬、しかし一転笑顔を見せたかと思うと『やっぱり美人の専属秘書がいると調子にのってしまっていけませんね!』ハハハッと太陽みたいな笑い声をあげる。
『まぁ、じゃあ私のせいですね。申し訳ございません』と久美子が真面目な顔で頭を下げると、『いやいや、久美子さんのせいじゃないよ。冗談、冗談。いや、美人の専属秘書ってのは冗談じゃないけど…』らしくなく、しどろもどろで取り繕う野瀬に対し、久美子はペロッと舌を出しウインクする。
『あ~ッ、やられたッ』と言って大笑いする野瀬。
久美子も一緒に声を出して笑う。
一時の安らぎを共有した二人は、心の距離も更に少し縮め、次の取材へと向かうのであった。
『ファッションホテル?』
次の取材先のことを久美子が尋ねると、野瀬はいつもの感じと違い、歯切れ悪く答えた。
『ファッションホテルって、いわゆるラブホ?』久美子が、再び訊ねると野瀬は無言で頷いた。
『昨今のお家時間をどう過ごすか、という課題の中で愛情を育てる場所としてファッションホテルが脚光を浴びている一面があるんだよね』と野瀬。
ある雑誌からの依頼で、人気ファッションホテルの特集を記事にしてまとめてほしいらしい。
『ファッションホテル巡り…ですね』仕事とは言え、男女の営みの為のホテルを訪れるのは久しぶりの久美子。
何もないと分かっていても、そういう場所を訪れることにドキドキしてしまうのは、単に久々だからか、野瀬と一緒だからか、更に言えば何かを期待しているのか、分からなかった。