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愛妻ネトラレ 久美子
第15章 真・話題の整体師
『なんかぁ〜、駅前のコンビニ跡の整体屋さんが凄い人気らしくて?超イケメンの若い整体師さんがやってるらしいんですよね〜』
久美子のパート先の工場。
昼休みの食堂で、久美子に話しかけてきたのは、最近パートで入ってきた綾瀬秋穂だ。

まさかの話題に、食べていたお弁当のオカズを喉に詰まらせそうになる久美子。
綾瀬は、工場のパートとしては珍しく20代の後半、子供はいなくパートの必要もないだろうに、家にいても暇だから、という理由で最近パートに入ってきた少し変わり者。
割と最近の若者に近い部類だろう。

『でも、ネットで調べたら、予約してから行ったほうが良いみたいで〜。なんかその若いオーナーが休みの日は禿げたオッサンの整体師がやるみたいなんですよね〜』

ブホッ、と今度は完全に喉にオカズを詰まらせる久美子。
ドンドンドンと胸を叩く久美子に『大丈夫ですか?』と心配そうに声をかける綾瀬。

『ん、平気平気…大丈夫』
作り笑顔で誤魔化す久美子に、『それでぇ〜、私最近肩凝りがヤバくてぇ〜、そこに行ってみたいんですけど…久美さん一緒に行ってくれません?』

まだそこまで親しい間柄でもないのに何故私と、と疑問に思い久美子が訊ねると『いや〜、だって他のパートさん達はいかにもオバサンって感じの人達ばかりじゃないですかぁ。久美さんは吉瀬美○子に似てて超美人だし、お誘いしたいなぁって。…私一人じゃ心細くて…ダメですか?』

声のトーンを少し抑えて、話す綾瀬。

まさか、そこの禿げオヤジに犯された、なんて口が裂けても言えない久美子。
上目遣いでお願いしますポーズをする綾瀬に、なんて断ろうかと考え込んでいると、『もし付き合ってくれるなら、久美さんが今度急にパート休む時は私が代わりに出ますから』とまで言われ、押し切られる形で二人で整体院に行くこととなったのであった。


次に二人の休みが同じになった日。
久美子には二度目の整体院。
『はぁ〜、なんかドキドキしますねぇ。旦那にはもうドキドキなんかしなくなったから、新鮮ですわぁ』
確かまだ新婚だったはずの綾瀬だが、還暦主婦のようなオバサン臭い台詞で、期待に瞳を輝かせている。

『あ、ちゃんと予約二人でいれてますから。安心して下さい』
綾瀬はニコニコしながら久美子に話しかけるが、久美子の胸中は前回を思い出し穏やかでは無かった。
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