この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第5章 素顔の君
『フゥ・・・~~いいお天気♪』
公園に着くと
カンナは機嫌良さそうに深呼吸した
・・・なんだよコイツ(笑)
『~~・・・なんか飲む?』
オレは公園のベンチのそばの
自販機を差した
『ぁ・・・うん・・・っ』
カンナはニッコリ微笑む
『肩凝りそーな生活・・・』
オレはカンナにジュースを渡しながら
なんとなくぼやいた
『え・・・?』
『塾だの…クラス委員だのって
疲れそうな生活だな』
『べつに・・・~~仕方ないじゃん
って言うか、あたし塾は行ってないし』
オレの単純な先入観で
成績のイイやつは
塾だのなんだのって
徹底的に受験対策とかしてるって
勝手に思い込んでたから
成績優秀で、長期休みには
バイトまで頑張ってしまうようなカンナを
なんて忙しいヤツだろうって
つい、思ってしまったんだ
あ・・・でもね別に
カンナに対して
そんな嫌味や皮肉を
言いたかったんじゃないんだ
オレが言いたかったのは・・・
『勉強は学校で出来るんだもん
わざわざ塾なんて行く必要ないよ♪』
『いや、そうじゃなくてさ』
『うん?』
『もっと…自由でいたい、とか
思わないワケ?』
ベンチに並んで座るカンナは
オレを見上げてキョトンとした
『???・・・私は…自由だよ?』
オレには…とてもそうは見えなかったから
『もっと…遊びたいとかさ』
『うーん・・・特に不自由してないかなぁ』
『あぁ、そう(笑)』
嫌味や皮肉を言いたかったんじゃない
オレは…ただ
オレの本音は
あの夏の日に
ひまわり畑で見たような
自然体で
本当の
素顔のカンナそのものみたいな
さっきみたいな不意に見せる
ニッコリとやわらかく笑う顔とか
そんなカンナが・・・好きで
そんなカンナの素顔を
もっともっと見ていたい
そう思ってただけなんだ・・・多分