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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第5章 素顔の君
『ケイゴ…待ってったら

私、一言もそんなこと・・・っ』






『っ・・・うるさいな!

回りくどい事言ってないで

そう言えばいいだろっ』







『そうじゃないって…言ってるじゃない』










『もう、いーって…!

アタマの固い〃ヘリクツ〃なんか

聞きたくもねーよ・・・っ』








オレは…頭に昇った血が

吹き出しそうに

カンナに向けて怒鳴っていた







・・・ショックだったんだ





本当は・・・それだけなんだ










わかってたんだよオレだって






成績優秀で…人気者でさ





ケチのつけようのない

カンナみたいな子にとって






落ちこぼれも良いとこのオレなんか


とてもじゃない


自慢できる彼氏ではないってことも







そんなカンナに

オレなんかが

釣り合う訳もないってことも・・・。








そんなショックを隠すように


感情を怒りに変えて


カンナにぶつけていた







カンナだって

結局どこかで

オレをバカにしてたんだ



そりゃそうだ…

何をやったって

自分とは比べ物にならない

落ちこぼれだからなオレは…



それでも…だからって


カンナに限って・・・





〃そんなヤツ〃だとは


思ってなかったぜ・・・






そんな、怒りの感情を強調するように


傷ついた気持ちを


必死に隠してるオレがいた










『ケイゴ…お願い!話を聞いて』







『話すことなんかない』







『ケイゴ・・・っ』








『・・・別れれば?』







オレは…半泣きのカンナに

冷たく言い放った










『ぇ・・・?』








『そんな、さ・・・

見られるのも、知られるのも恥ずかしい

そんなヤツと付き合ってる事自体

おかしいだろ?』







『・・・ケイ』











『別れればいいだろ・・・』







『待っ・・・っ』









『・・・じゃあな』







オレはカンナの手を振り払って

さっさと立ち去った
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