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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第5章 素顔の君
ツカツカツカ・・・



オレが真っ先に向かうのは

寄ってたかってカンナをからかう

うろたえまくりのギャル3人組



・・・の横を通り過ぎて




ガコッ……



教室の後ろの掃除用具入れ





掃除当番なんて

まともにやったことないオレは

道具の所在に少々戸惑い?




あったあった・・・




雑巾と窓拭きかなんかのスプレー





『借りるね・・・』




誰一人返事をしない空間で

そう言い放って廊下に戻る





バシャバシャ・・・ゴシゴシ




落書きされたカンナのロッカーに

スプレーをぶっかけて

ガシガシと拭きまくった







ツカツカツカ・・・







ポイっ……





教室に戻って

雑巾放り投げると





「……~~」

「ぁ……」

「~~~」




キョドキョドしてる3人組




君らに用はないんだオレ







『カンナ・・・』




頑なに背を向けて

なんとか教室から出るタイミングを

探している

そんなカンナを呼び止める






『・・・っ』




『カンナ・・・?』





シーン・・・



無音の空気に加え

ギャル3人組の視線を気にしているのか

カンナはうつむいていた





それを良いことに、またまた



「ねぇ、滝川くん♪
マジで付き合ってるの?」



空気の読めないバカ女は

〃イジメなんかしてませんアピール〃

とでも言うように

カンナを茶化すように口々に

声をあげる




「葉月さんなんでハッキリ言わないの?」


「うちらはただ聞いただけじゃん~?」


「あたしらみたいなバカとはさ
口もきけないって?感じワルくね??」



その時








『・・・〃誤解〃だよ。

何度も言ってるじゃない』





ゆっくりと、振り向いて

カンナが答えた






そして





『私に・・・何か用?…〃滝川くん〃・・・』






『・・・』






少しひきつりながら

ニコリと笑って

カンナはオレを

完全他人扱いした





カンナをいじめた3人組

1人は・・・あぁ、よく見れば

いつだったかオレに告ってきた女




そういう事ね・・・





オレは…今更


やっと



全てを理解した
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