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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第1章 幼く・・・儚く
『ついでに風呂は沸かしてあるから』


『あら♪リョウキありがとう』





『じゃオレ、ちょっと部屋で寝てるわ』




去り際にオレには軽く舌打ちをして
自分の部屋に向かう弟



誰に似たのか…ガキのくせに
どこか自立心があって

適当に親や周りから
可愛がられるヤツ



それが、いわゆる変な〃お利口ちゃん〃とか
人に媚を売るようなヤツでもない



こういう人間は
陰口を言われない・・・




それがわかっているからこそ
隙がなくて…嫌味がない
足元をすくえない



弟は…器用なヤツだった






そんな素直な性格が

血気盛んなオレには、なんとも

勘に障るってヤツだったのかもね





だってさ誰だって面白くないじゃん?

何やっても敵わないヤツがいて

それが身内・・・弟だったらさ?





なんて…そんな、自覚もない

見えない焦りや

コンプレックスだったのかも知れない




後になって思えば…だけど







『ケイゴ~~?』




『・・・』



ゲームのテレビ画面を見て
返事もしないオレ





『バイト忙しいの?』



そんな反抗期?に慣れっこな母親は
構わず一人で話してくる




うるせぇな…腹へってんだよ




どうせ勉強しろとか

なんとかって言いたいんだろ?








『折角の夏休みなのに偉いわねケイゴ♪

毎日毎日、つらくないの?

社会勉強も良い経験…頑張ってるね』






『・・・』


別に…親が弟を溺愛しているとか

えこひいきしてるとか

そんなことは何もなかったのに




弟の事を棚に上げて

自分も思春期そのものなオレは

それはそれは

トゲトゲと尖ったものだった
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