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第6章 夢をみる・・・

「っ……な、んだよ滝川ぁ

やんのかよ・・・っ？！」





『・・・』



金持ちのクソみたいなヤツが

曲がった〃ものさし〃で勝手に

カンナをはかるんじゃねぇよ





アタマにカァっと

増幅する怒りが

余計にオレの手に力を込めた






『？！・・・ケイゴっ！』





カンナがハッとして

オレを引っ張り制止する

その瞬間……





ドンッ・・・





ガッ…シャン






オレは力任せに

胸ぐら掴んだソイツを

突き飛ばした








ぶっ飛んだソイツの姿と音に






ｷｬｰ！


ﾜｰ！




とかって

教室に叫び声があがる






「～～ふん！滝川

サボリ癖も病気だな？！

そんなに停学くらいたいのかよ！

夏休みだってのによ！まだ休みたいか？！

お前みたいな落ちこぼれ

停学どころかとっとと退学にでも……」







『・・・』


オレの事は

なんとでも言えよ



なんとも・・・思わないぜ


だけど・・・カンナのことは


それだけは許さない










『自分は努力も勉強もしなくても

医者にはなれるから・・・？』







キョドりながら

必死に悪態つくソイツの言葉を

カンナが静かに遮った






「？！」






ｶﾀ・・・ｺﾞﾄ



カンナはさりげにオレの腕を引いて

ソイツとオレの間に入ると



ソイツがぶつかって

ぶっ飛んだゴミ箱を直して



ゴミを拾いながら

またソイツに語りかけた









『だから・・・真面目に

真っ当に頑張る人の姿が

バカバカしくて・・・

おかしくてたまらないの？』






「……？！」







『受験勉強なんて

自分にはないようなものだし？

〃あなたとちがって〃

恵まれていない人を…

人をバカにすることくらいしか

やることがないの？』





「……っ」








『親の威光を借りて…

人より上だって・・・主張してないと

自分を保っていられないの？』