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第8章 大丈夫だよ・・・。

シーン・・・




オレの一言に、家族は


再び静まりかえってしまう。





無理もないのは・・・

オレが一番わかってた








『浪人・・・したり

ダラダラ続けたりしない

受験…ダメだったら

落ちたらすっぱり諦める

学費も・・・働いて必ず返すから

だから・・・』






『・・・』


『・・・』





説得力に欠けるって言うのか

なんとも締まりのないオレの話…



考え込むように

黙ってしまった両親を前に



場の空気が

どんどん重苦しくなる気がした。








『ケッ・・・バーカ

〃ダメだったら〃とか考えるから
思い切りいけねぇんだよ

ダメかもとか思ってるヤツに
出来る日は来ねぇんだよ

女々しいヤツ・・・

どうせやるんなら
〃出来る〃って思って

〃やってやる〃って気で行きやがれ』








２度目の沈黙を破ったのは

クソにくたらしい…はずの

弟、リョウキだった





『・・・』


こういう

培われた精神力は

こういう道の子だからなのか


それともオレの

この弟だからなのか





オレにはない考え方

オレには言えない言葉




なんにしても

悔しいかな、見上げたものがある



オレは…弟に

何も言えなかった




そして・・・悔しいかな

多分

リョウキの言葉が・・・嬉しかった





エールのつもりか

ニヤ・・・っと

少し笑って

リョウキはリビングを出ていった






暑苦しく…エールなんか送ったりしない


だけど、家族は


憎たらしい弟でさえも…みんな


オレの無謀な挑戦を




家族だけは



バカにしたり…笑ったりはしなかった