この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第8章 大丈夫だよ・・・。
この間のオレの一言が
まさか【そういう意味】とは
思わなかったカンナは・・・
『っ・・・』
じわ……っと目を潤ませて
カンナは・・・泣き崩れた
『カンナ・・・(笑)泣くなよ』
『っ・・・く・・・ふふ
っ・・・それなら・・・
∥百人力∥だね・・・っ』
くしゃくしゃ、っと
涙を拭って顔を上げると
カンナはオレを見上げて
太陽みたいにニッコリと微笑んだ
『ふふ・・・それなら私
なんにも恐くないや・・・』
∥気の持ちよう∥って大事だ
例えば、ほんの一瞬でも
笑顔になれること
やる気になる、とか
希望を見出だすとか
綺麗事じゃない・・・大事なことだ
『私・・・ちょっと遅れちゃうけど
私も・・・必ず
私、ちゃんと看護師になる♪
それで、ケイゴの事をバッチリ
サポートするから・・・!』
カンナはニカっと
白い歯を見せて笑い
オレにブイサインをする
『ふふふ・・・私・・・実はね
チョット夢に見てたんだ』
『夢???』
『ケイゴって、いつも・・・
スーパーマンみたいだから(笑)
もしかしたら、いつか
レスキュー隊とか、なんか
すごい意外な仕事に就くんじゃないか
・・・とかって勝手に思ってて』
『(笑)デタ~…久々に、そういうの』
『職人さん……消防士…~
ううん・・・もし
もし・・・ケイゴが、救急とか医者とか
同じ世界にいたらな・・・って思った事も
ほんとは、あったの・・・』
『なら、ちょうどよかったじゃん(笑)』
『まさか、現実になるなんて
さすがに、あたし…思わなかった(笑)
断然やる気でてきちゃった・・・♪』
カンナは笑顔で
小さな両手をギュっと握って
ガッツポーズまでして見せる
狭い病室・・・
オレとカンナ・・・ふたりだけの
∥小さな世界∥かもしれない
だけど、そんな狭い
ちっぽけで無機質な空間が
ホカホカと温かみを持つように
オレたちは・・・
∥新たな夢∥を持った