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第9章 一瞬を必死に生きろ・・・

チームが劣勢に追い込まれれば

リョウキは手を叩いてはチームを励まして



自ら声を張り上げて

パス・・・？

トスを呼んで



得点を決める度に

わざとオーバーなくらいに

ガッツポーズをして

チームの雰囲気を盛り立てていた





気迫・・・って言うのかな


そのオーラをもって

チームを盛り上げるエース




そして



ミスしたメンバーや

ビビってる後輩らしきメンバーには

積極的に声をかけて、動かして

チームを牽引するキャプテン





何言ってるかなんて

オレの席からは全く聞こえないけど




初めて見た、弟の必死な姿




初めて見た、弟のその姿は






悔しいくらい



・・・いや




悔しいなんて、そんな気持ち

起こる気もしないくらい



思わず興奮するくらい





メチャクチャ・・・カッコよかった。









たかが部活・・・たかがボール



それが床に落っこちないよう

それだけのために




コートを走り回り

這いつくばってボールを繋いで



渾身の力を込めて

相手のコートに打ち込む



そして

もぎとった、その点数



その瞬間には

思い切り喜んで・・・




そんな弟の姿を前に



∥暑苦しい∥

∥何がおもしろくて∥～



なんて・・・散々言ってたこのオレが




その気迫と雰囲気にのまれて



呑み込まれるように

ゾクゾクと・・・興奮してた。





思わず手を叩いて

声援を送りたくなる



そんな興奮を抑えるオレの手は

いつの間にか

汗でびっしょりになっていたんだ