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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第9章 一瞬を必死に生きろ・・・
∥リョウキ・・・すごいじゃんアイツ∥



その一言を喉の奥に押し込めて

オレはコートを見つめていた





最後の一点を決めて

試合終了のホイッスルが鳴り響く



軍配は

弟のチームにあがった



ワッと歓声があがり

弟はコートの真ん中で

両腕を挙げてチームメイトと

輪を作って叫んでいるようだった




そして次の瞬間




リョウキはオレたち家族がいる

客席・・・こっちを見た(気がした)





気のせいか?


いや・・・




アイツはオレら家族に向けて


グニーっと曲がる親指を

目一杯立ててサインを送り


汗を拭いながら

こちらに向けて

思いきり、ニカッと笑った。





パチパチパチ・・・




そのサインに応えるように

隣にいた父さんと母さんは

絶え間なく大きな拍手を

リョウキたちに送っていた




試合が終わればキチっと礼をして

対戦チームに敬意をはらい

ピシッとしてる弟




へぇ、アイツは

こういう環境で生きてんだな


なんて

勝手に浸ってたりした




勝利をあげて

胴上げ、拍手喝采


仲間との絆・・・


達成感や、喜び

その涙が溢れ出る





∥この瞬間∥



これを味わう事が出来るか、否か






このために・・・



この瞬間のために




弟は・・・毎日



来る日も、来る日も




夏休みも・・・冬休みも





毎日、必死に




その一瞬、一瞬を

必死に



頑張ってたんだ。




暑苦しい・・・汗クセー

クソ生意気なヤツ



オレがそう思ってきた弟は




オレが知る由もない

弟の本当の姿は



まるで、みんなのヒーローみたいに



メチャクチャ・・・カッコよく



輝いていた
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