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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第12章 花の命・・・
ザワッ…… ……





告別式が…とっくに始まっている会場


世間一般の常識ではおそらく
こんな遅れて…

それも
躊躇いもなくのこのこやってくるなんて

せめて、ひっそり入れば良さそうなものを

こんなオレの行動は
非常識、無礼のほか何物でもないだろう




それを顕著に表すように
参列者からざわめきの声があがる




「おいっ…なんだ∥アレ∥は!?」

「何を考えてるんだ非常識な!!」




無理もない……当たり前だろう


いきなり踏み込んできたオレの出で立ちは

正装…は、おろか
まともな身支度すらしていない

何かに背を押されたように
ただ突っ走ってきたオレは

起きたままの
ジーンズにTシャツ



『・・・』


おそらく…親族…親戚のおじさんとか
そういった立場の人達だ


オレの無礼な振る舞いに
瞬時に怒りをあらわにして
声を荒げていた



・・・のが、後方から聞こえた



オレは…そんな彼らにも

オレを不審者と思ってか

止めに入ろうとした
斎場の職員をもすり抜けて


ただ、ただ、真っ直ぐ
前に足をすすめる





会場は・・・痛ましく


悲しみに溢れていた






『カンナぁ…っ

目あけてよっ…カンナ・・・!』





『おねぇちゃん…っ…わぁぁぁぁっ』

『いやだよぉっ……おねぇちゃぁんっ』


参列したカンナの仲間や

カンナの小さな妹たちの
悲痛に泣き叫ぶ声



まだ小さな…カンナの可愛い妹たちの
痛ましい姿…泣き声

それを見たオレは
瞬時に耳を塞ぎたくなって

奥歯を噛んで目を反らした



彼女の友人…後輩…先生

そして・・・先に来ていた
カズマやタクミたち


みんなの姿が
人間…約180度ある視界

オレの視界にも…映る





故人を弔う・・・


悲しみに溢れたその会場は




オレの突然の行動で

悲しみとは別の


静まりを見せる
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