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それでも僕は
第12章 12※
「宗田くんと小谷くん…?」
なぜか更衣室には執事姿の南先輩がいた。正臣くんは南先輩を見てサァ…と青ざめた。
「な、な、な…んで、ここにミナミちゃんが!?」
南先輩に女装姿を見られ、かつてないほど動揺する正臣くん。南先輩は気まずそうに頬を掻いた。
「いや、クラスメイトにミスコン出ないか?って誘われたんだ」
確かに執事服の南先輩は栄える、きっと壇上に上がれば多数の人を虜にするだろう。
「さっきから会場が騒がしかったけどもしかして…」
南先輩が女装姿にどんな反応をするか?と怯えている正臣くん。南先輩は怯えている正臣くんに優しく微笑む。
「宗田くんも、小谷くんも浴衣似合っているよ」
なんだろう…この状況で格好を褒められても嫌味にしか聞こえないはずなのに、南先輩のあまりにも裏表ない声に素直に嬉しくなる。
「あ、ありがとう…」
照れながらお礼を言う正臣くんの横顔を見て、僕は正臣くんが南先輩に恋していることに気付いた。そして自分自身の想いにも…。こうして僕と正臣くんは沼のような深い恋に落ちて行くことになる。