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それでも僕は
第6章 6※





気になるアイツ…。




「ふあぁ…」
寝足りない頭を掻いてリビングに降りる、共働きの両親はすでに仕事に出ていて家には俺しかいない。俺の両親は放任主義であまり俺に干渉したりしない。俺も両親があまり干渉しないことを良いことに髪を金色に染めたり、サボったり好き勝手している俺は母親が用意した朝食を食べて学校に向かう準備をする。基本的に学校をサボりがちの俺だが最近はほぼ毎日学校に通っている。






「………おはよ…優馬…」
「……ふああぁ?おはよう…達也…ふあぁ…」
眠そうなあくびをするのは茶髪の美男子…優馬…入学したての頃はそうでもなかったが最近は常に眠そうにしている。クラスでの唯一の友達と呼べるやつで班分けの時とかよく一緒に行動している。
「……ちゃんと寝ろよ」
「うん…分かった」
(今すぐ寝ろとは言ってないんだがな?)
俺は肩を竦め鞄を机の上に置き、イスに腰掛ける。よほど疲れているのか優馬はすぐに深い眠りに入った。優馬とは何か運命的な出会いをしたとか、何か絆を深めるようなエピソードがあるとか、だからと言って気や趣味が合うとか聞かれればそうでもなく。ただ何となく俺が優馬が気になったというだけの話…自分でもどうしてこんなに優馬のことが気にしているのか分からない。






「………かったり…」
午後の授業はバスケ…面倒そうな俺に優馬は苦笑して頷いた。
「確かに…少し眠いよね」
優馬は眠そうに目を擦る、コイツはいつも眠そうにしているなと呆れる、だから『スリーピングプリンス』とか言うあだ名を付けられるんだ。だがプリンスと言われるだけあって優馬の顔は物凄く良い、優馬が耳元で甘い言葉を囁けば堕ちない女はいないだろう。現に野暮たい体操着姿だと言うのにクラスの女子の視線を集めている。
「次は俺達か…」
俺と優馬のチームの試合が始まる。運動はそこそこできるが疲れるから嫌いだが優馬もいるし、それなりに頑張ることにした。試合の行方は優馬が活躍して俺達のチームが有利に進んだ。俺は相手からボールを奪い優馬にパスをする、優馬は俺のパスを受け取るとそのままゴールに向かい長身を生かしダンクを決める。
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