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それでも僕は
第6章 6※
優馬がダンクを決めると一瞬静かになったあと黄色い声が上がった。優馬はバスケの強豪で有名な柴中のバスケ部のエースだったかなりバスケが上手い。高校は勉学に集中したいから部活はやってないらしいが…。
「ふぅ…」
優馬が体育着で汗を拭う、わずかに見える腹筋がキレイに割れていて妙にエロい。優馬のあまりのエロさにクラスの女子が小さな悲鳴をあげる、中には男子も気まずげに優馬から目を逸らす。
「まあ…こんなものか」
戻ってきた中間テストの結果を見て俺はつまらなさそうに呟く。成績自体は平均よりちょいと上ってところだ、この点数なら両親も特に何も言わないだろう。
「……お前、寝てばっかだけど、テスト大丈夫か?」
俺は優馬のテスト結果を見て眉をひそめた。
「いつも寝ているくせにどうしてテストの点数、俺より良いんだ?」
顔も良くて頭も良いその上運動までできる…あまりにも完璧人間過ぎる優馬にめまいを覚える。コイツは一体どれだけのものを持っているんだ。
「…別に普通だろ?」
自分の成績興味なさそうな優馬、いくらなんでもあまりに自分に興味がない優馬に俺は唖然とする。俺は優馬がまるで自分のことを価値がないモノのように扱うことに俺はなぜか腹が立った。
俺は優馬のことが気になって仕方なかった。よくサボっていた学校も毎日通うようになった、あれだけ退屈と感じていた学校生活が楽しく感じるようになっていた。
「……最近、達也ってぼーっとしていること多いよな?」
「………別にそうでもねーよ」
俺がぼーっとしている原因は相変わらず眠そうにしている。どうしていつも眠そうなのか聞いても適当にはぐらかされちゃんとした返事が返ってきた試しはなかった。優馬が俺に何か隠し事をしていることに俺は不快感を感じていた。
(……あほらし)
出会って数ヶ月しか経ってないのだから言えない秘密のひとつやふたつあって当然なのに、それが当たり前だと理解していても受け入れられない自分がいる。
「……じゃあ俺購買で何か買って来るからいつもの場所で待ってろ」
俺は教室を出て購買に向かう。最近昼メシを抜いてまで寝ている優馬を見かねた俺が購買で適当にパンを見繕ってやっている。