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それでも僕は
第9章 9★
「おっ優馬と同じクラスだ」
宏が俺の肩に腕を回し、クラス表を指す。俺はため息を吐いて宏の腕を振り払う。俺は宏と話ながら自分のクラスに向かう。
「あの…南くん?」
セミロングの女子…確か小林さんが俺に声をかけてきた。
「良かったらこれから親睦会するんだけど、南くんもどう?」
小林さんが下のほうから俺を見上げる。小林の誘いに俺は肩を竦めた。
「ごめん、今日は用事があるからダメなんだ…」
俺が無難な台詞で断るが小林さんはなおも食い下がって来る。俺は疲弊しながらも小林の誘いを断り、昇降口をめ目指した。
今日は確かケイも学校終わるの早かったはず…俺はスマホを取り出しsnsのケイのアカウントに今どうしているか尋ねる。まだ授業中か?と首を傾げているとケイからの返信が届く。
『今、学校出るところ』
俺は待ち合わせ場所をケイの通う小学校近くにあるコンビニを指定する。俺は急ぎ足で待ち合わせ場所に向かう。昨日もケイに会ったと言うのにどうしてもケイに会いたくなる。
「お待たせ、ケイ」
数分歩いた場所にあるコンビニの前にケイがいた。それだけで俺の胸が高鳴った。ケイを見るだけでドキドキが止まらない。早く駆け寄ってその小さな身体を抱き締めたい。そんな邪な感情を押し殺しケイの元に向かう。
「…体調は大丈夫か?具合が悪くなったらすぐに言えよ」
「うん、俺は大丈夫だから安心して」
俺とケイは近くのスーパーに向かって歩き出す、佳代さんは仕事で忙しいため、週末もいないことが多いためケイは週末は俺達のマンションに泊まることが多い。夕飯の材料を買ってマンションに向かう。
「ゆうの学ラン、格好良い」
俺の部屋に入ってるとケイが俺の学ラン姿に目を輝かせる。キラキラした目をしたケイに俺は肩を竦めた。クリスマス以降…ケイと『あんなこと』どころやキスすらしていない。ケイが体調崩したこともあるが、クリスマス以降、ケイが迫って来ない。強引に行為を求められるのは嫌ではないがケイの身体を考えると自重してほしいいけど、全く興味を示さないとそれはそれで不安になる。
「…………」
ケイが考え込む俺をキレイ過ぎる笑顔で見上げる。あまりにもキレイ過ぎる笑顔に俺はたじろいでしまう。