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籠の中の天使
第12章 明けない夜



ノアと寄り添ってたこ焼きを食べる。

不思議な時間だった。

居場所の無い2人が寄り添って心の隙間を埋めようとする。

たこ焼きを食べ終わった私をノアが再び送ってくれる。


「ありがとう…。」


ノアのお陰で少しだけ気が楽になる。


「もしも、咲都子が辛い時は連絡して来い。」


ノアが私を助けてくれると言う。


「ノアの迷惑になるだけだよ。」

「気にすんな。困ってる女が居たら助けろって言われてる。」

「誰から?」

「俺の親父…、もう70になるくせに元気だぜ。」


居場所を求めてがむしゃらに働いていたお父さんは50歳で25歳のお母さんと結婚したとノアが言う。


「凄ーい…。」

「凄くねえ…、世間からはこの結婚は犯罪だとまで言われたらしいからな。」


ノアが苦笑いをして私を見る。


「だから、咲都子も諦めんな。」


南斗との恋愛に悩む私を励ましてくれる。

マンションの前でノアと別れた。

翌日は部屋中の掃除をして、買い物に出掛ける。

明日は南斗が帰って来るから…。

ちゃんと食事をして睡眠を摂って、南斗に心配を掛けないようにしようと張り切る。

なのに予定の時間になっても南斗は帰って来ない。

少し遅くなってるだけだよ…。

自分の分の食事を済ませ、お風呂にも入りパジャマに着替えて南斗を待つ。

深夜の0時を過ぎて、やっと南斗が帰って来た。


「まだ起きてたのか?」


疲れ切った顔の南斗が痩せたように見える。


「ご飯はちゃんと食べたよ。南斗は食べる?」

「今夜は要らない。」


テーブルに置いてた南斗の食事を冷蔵庫に片付けようとすると


「これ、なんだよっ!」


と南斗が乱暴に私の腕を掴む。


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