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籠の中の天使
第12章 明けない夜
手首にはまだ痣が残ったままだから…。
「あのね…、ちゃんと峯岸君には付き合えないって言えたの。でも峯岸君が凄く怒って…。」
「あのクソガキっ!」
「大丈夫…、私は平気だから…、南斗が居れば平気だから…。」
興奮する南斗にしがみつく。
「咲都子…。」
私を抱き留める南斗の手が震えてる。
それでも、いつものように眉間に口付けて私の気持ちを確認する。
大丈夫…。
平気なの…。
どんなに傷付いても…。
南斗が愛してくれるなら…。
南斗の手が私の髪を撫で付ける。
眉間の次は鼻へのキス…。
南斗の手がパジャマの上から私の胸に触れて来る。
薄い夏物のパジャマは私の反り立つ乳首の形をはっきりと南斗に見せ付ける。
南斗に触れられるだけで乳首を立たせるやらしい子だと思われたら恥ずかしい。
そう思うのに、南斗の指先がパジャマに突き出た乳首をキュッと摘んで来る。
「ん…。」
声を殺そうと唇を噛む。
南斗が耳元にチュッと口付ける。
「久しぶりに俺の部屋で寝るか?」
ノーと言わせないつもりの南斗の指は私の乳首をパジャマ越しに転がしてる。
「いいの…?」
嬉しくて涙が出そうになる。
南斗が愛してくれる。
今夜だけは私の南斗になってくれると期待しちゃう。
「いい訳…ねーよ…。」
そう呟いた南斗が私から手を離す。
「南斗…。」
「ダメなんだよ。俺は保健医で咲都子は学生だから…。」
「でも私は南斗が好き…、南斗がいいの。」
「わかってるよっ!俺だって咲都子が欲しいよ。だけど無理なんだよ。せめて咲都子が学校を卒業しなきゃどうにもならないんだよ。」
南斗を追い詰めてるだけの私だと気付いた。