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籠の中の天使
第12章 明けない夜
1日中、男と女が交合う音を聞いて過ごす。
18歳になれば私もお店で働ける。
そして、いつかはお母さんのように女将になる。
それが南斗の為…。
覚悟を決めた私は日が暮れた街を抜け出した。
向かう先は『たこ八』…。
ノアがたこ焼きを焼いてる。
「どうした?」
私が安心する笑顔を見せてくれる。
「相談があるの…。」
私はノアに全てを託そうと思う。
友達も相談する人も居ない籠娘…。
こんな事、ノアにしか頼めない。
「これ食って待ってろ。」
ノアが私の分のたこ焼きを用意してくれる。
それを食べながらイートインスペースでノアを待つ。
「おばさんは?」
「買い物に行った。そろそろ帰って来る。」
ノアの言う通り、おばさんはすぐに戻って来る。
「あら、咲都子ちゃん。今日はどうしたの?」
「ノアが焼いてるたこ焼きを食べに来たの。」
「ノア君…、ファンが多くて助かってる。」
暑い真夏にはなかなか売れないはずのたこ焼きなのにノアが焼くと女性が買ってくれるとおばさんが笑う。
店仕舞いまでおばさんと話をして過ごす。
「ノア君、ご苦労様…。」
お店を閉めたノアと並んで商店街を歩く。
「相談って?」
軽い気持ちでノアが聞いて来る。
「SEXがしたいの…。」
人目をはばからずに答えた私にノアが真っ赤な瞳を大きくする。
「お前っ!」
ノアの表情は驚きや怒りを含む複雑な表情になってる。
慌てるノアは私をこの前の公園へと連れて行く。
「自分が何を言ってんのかわかってんのかよ?」
まだ複雑な表情をするノアが聞いて来る。
嫌という程、わかってる。