この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嘘の数だけ素顔のままで
第8章 痴漢【3】

コトブキは、いまだに摑んで離さないばか女の手を払いのけた。間髪を入れず背後に回り込んだ。
座席の女たちを眺めながらコトブキは自分のベルトを緩めた。ズボンを下ろした。車内は暑いとはいえ、外気に触れた肌が粟だった。残り一枚。その中で剥き出しの心臓が脈打った。
正面にいる女たちは首を傾け様子を窺っている。
コトブキの尻の辺りで血管の中を細長い虫が這っていったようにピクピクした。背後にいる女や車両の右側にいる女たちの視線が下腹部に集まっているような気がした。
オオハナタカコの一件が頭にちらついてきて二度、三度コトブキは躊躇った。ついに覚悟を決めたとき、足の輪郭がなくなってしまったように震えた。ブリーフを足首までずり下ろした。もしこのことでおれが逮捕されたら……ふいにそんなことをコトブキは考えた。
インタビュアーにマイクを向けられた昔の友人らはどう答えるのだろうか。まさか彼がそんなことをするとは思いませんでした、そう口を揃えて言うだろう。女の級友は、大人しかったのにねえ、とか、恥かしがり屋だったんじゃないですか、とか、
喋ったことないからわかりません、とか、あんまり覚えてないかも、とかそう言うかもしれない。
近所の人は、アキラちゃんって呼んでいたときから知ってるからねえ、素直でいい子でしたよ、よく挨拶してくれました、
そう答えるかもしれない。そういうことを考えていると、コトブキのペニスはよりいっそう固くなるのだった。その固くなったモノをばか女の尻に当てた。
思った通り背後からやると痴漢っぽさが増した。痴漢は合意であってはならない、一方的な欲望の排泄だ、そう思った。
座席の女たちを眺めながらコトブキは自分のベルトを緩めた。ズボンを下ろした。車内は暑いとはいえ、外気に触れた肌が粟だった。残り一枚。その中で剥き出しの心臓が脈打った。
正面にいる女たちは首を傾け様子を窺っている。
コトブキの尻の辺りで血管の中を細長い虫が這っていったようにピクピクした。背後にいる女や車両の右側にいる女たちの視線が下腹部に集まっているような気がした。
オオハナタカコの一件が頭にちらついてきて二度、三度コトブキは躊躇った。ついに覚悟を決めたとき、足の輪郭がなくなってしまったように震えた。ブリーフを足首までずり下ろした。もしこのことでおれが逮捕されたら……ふいにそんなことをコトブキは考えた。
インタビュアーにマイクを向けられた昔の友人らはどう答えるのだろうか。まさか彼がそんなことをするとは思いませんでした、そう口を揃えて言うだろう。女の級友は、大人しかったのにねえ、とか、恥かしがり屋だったんじゃないですか、とか、
喋ったことないからわかりません、とか、あんまり覚えてないかも、とかそう言うかもしれない。
近所の人は、アキラちゃんって呼んでいたときから知ってるからねえ、素直でいい子でしたよ、よく挨拶してくれました、
そう答えるかもしれない。そういうことを考えていると、コトブキのペニスはよりいっそう固くなるのだった。その固くなったモノをばか女の尻に当てた。
思った通り背後からやると痴漢っぽさが増した。痴漢は合意であってはならない、一方的な欲望の排泄だ、そう思った。

