この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
嘘の数だけ素顔のままで
第8章 痴漢【3】
 ばか女の様子がおかしい。その異変に気がついたとき、コトブキは最初笑っているのだと思った。揮えたような吐息を募らせて鼻で笑われた気がしたのだ。探るような目でばか女を見たときだった。

 突然嘔吐でもしたかのようにうめいた。からだが小刻みに揮えだし二度三度続けてうめいた。もんどり打ったような低くて太いうめき声だった。


 どこから声だしてんだよ、ばーか、

 軽い調子でそう言ってやった。


 すると、ばか女は悶絶した。野太いうめき声を引き摺りながら。筋張った頸に爪を立て引っ掻いた跡が朱くなっていく。匂い立つように発汗してきて胸を触っていたコトブキの手の平がぬるぬるになった。ばか女が何かを言った。


 は?

 うめき声と一緒に、ばか女は再び何かを言った。次はコトブキが喋る番だったかもしれないが、何も喋らず合槌もせず無視した。罰の悪い間を埋めるかのようにばか女はうめき声をあげた。うめき声が少しずつ言葉になっていった。


「ほんとに……ばかだと……思ってるんですね」

 コトブキは無視した。それが返事だった。二秒、三秒、四秒、とお互いの無言が続いた。六秒、七秒、やにわにばか女の洟息が揮えた。頭のいいばか女だ、とコトブキは思った。


「ばかに……されているんですね……あたし」

 返事の代わりに乳首の先を捩じり回した。


 いま何されてる?

「あたしのことを……ほんとうに、ばかだと思っている人に……乳首を……虐められてます」

 耳元でせせら笑いをすると、ばか女はよりいっそう下品にうめいた。


 泣かせたいと思ってるのに、こいつ喜んでるよ、

 ばか女の髪をクロワッサンのような形にして束ね、手繰った。あごの上がったばか女の顔の横に頬を寄せて正面の女たちをコトブキは見た。正面の女三人全員がこちらを見るまでコトブキは待った。その間ばか女の頭はずっと揺れ続けた。

 最後の女がようやく目を合わせてきたところでコトブキはこう言った。


/99ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ