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つねる
第1章 つねる
長い髪は掴んでベッドに押しつければ絵になるだろうし、肉付きのない身体に縄を這わせることには酷く興奮する。とはいえ、焦ってしまえば後数時間で終わってしまう。私好みに仕込む為には、まず彼女の興味を擽って広げるのがはやいはずだ。学生時代ほど時間が使えればその限りでも無いが、その分財布の厚みが増したと考えればいい。そうだ、彼女にはどんな色のおもちゃが似合うのだろうか─。そんなことを考えている内に彼女の臀部は白と黒のコントラストから薄い赤と黒に。いや、黒には彼女の愛液がシミを作って三色に変わっていた。
「叩かれるだけでここまでとはね」
「……ごめんなさい」
 ある時、痛みで興奮する女に
「何故謝るのか?」
 と聞いた。
「そう言っている自分に興奮する、着飾って見栄えばかりの自分が辱められていることで膣が湿る」
 そんな回答を期待していたのだけれど
「本当に申し訳なくて」
 そう返されてしまった。つまり、普通のテンプレートなセックスで興奮出来ない事への謝罪だ。キスをして乳首を優しく舐められてもクリトリスが膨らまないことへの謝罪だという。
「それはなんというか」
 よい返しが返せずに困った事を思い出す。さて、彼女はどういう理由で謝ったのか。興味はあるが今聞くことではないから、必要な質問だけを音にした。
「次は何をして欲しい?」
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