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硝子の初恋
第7章 初めて一緒のクリスマス
今日はクリスマスイブ。

なのに、1月に記録会を控えた水泳部は、今日も午前中は練習三昧だ。

練習の準備を始めるマネージャーたち。特に一年のマネージャーのまゆなと沙有里は忙しい。

はずだが……

「あー、聞きたくない! けど聞いてやる。まゆ、今日はどうすんの?」

沙有里の口はよく動く。だが、手は止まっていないので、先輩マネージャーから文句は言われない。

「え? あー、うん……眞斗と……」

「あー、聞きたくない! けど聞いてやる。高臣先輩と何?」

「えっと……眞斗とうちで……」

「あー、聞きたくない! けど聞いてやる。まゆん家で?」

「…………」

話の途中で、一々"聞きたくない、聞いてやる"を連発され、まゆなは黙り込んだ。

「口ごもるような事するんだ!」

すかさず沙有里にそう言われ、まゆなは慌てる。

「え? 違うよ! パーティーするだけだよ!」

「パンティー脱ぐだけ?! うわっ、なんて破廉恥!」

一年の水泳部員でクラスメイトの田村一輝[たむら かずき]がまゆなと沙有里の会話に入ってきて、まゆなは"面倒な相手が増えた"とこっそりため息を吐いた。
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