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硝子の初恋
第7章 初めて一緒のクリスマス
「まゆ、じっとしてて」

高臣の手がまゆなの耳に伸びる。

「え? ピアス?」

高臣が、まゆなのピアスホールに、小さなピアスを器用に通す。

中学卒業の記念にと、沙有里と中学時代の友達3人と興味本意であけたピアスホール。

校則の緩い学校だから、見つかっても軽く注意されるくらいだけど、見つからないようなピアスを、見つからないように髪の毛で隠してた。

でも、夏休みにショートカットにした時に親に見つかり、ものすごい怒られて以来、まゆなはピアスを付けていなかった。

「私がピアス開けてたの、よく知ってたね」

一緒に開けた沙有里はともかく、高校からの友達である佳菜美や成美は、まゆなのピアスホールの存在を知らない。

他の誰かに言われた事もないし、親以外の誰かに気付かれた事はなかった。

「まゆ、耳の裏が感じるんだよな」

そう言って、まだピアスを付けていない方の耳に舌を這わせる高臣。

「やッ……ンッ」

耳の裏を舐め上げられ、思わず甘い声を漏らしていたまゆなは、慌てて口を押さえた。

「眞斗ッ、ダメッ、人が……見てるッ」

耳元で聞こえる水音に、煽られそうになる身体。零れそうになる声を押さえようと、まゆなは必死に口を噤んだ。
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