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硝子の初恋
第8章 かげり始めた幸せ
心地よい疲れの中で、高臣もまゆなもウトウトし始める。

高臣の腕枕に頭を預けたまゆな。その髪を、高臣が優しく撫でる。

「まな…と……好き……」

「……俺も…好きだよ」

笑い合い、目を閉じる。


♪♪〜♪♪〜♪♪〜

夢の世界の入り口に立った瞬間に、高臣とまゆなの携帯が同時に鳴った。

水泳部の2年部長から、

"今から1時間後、学校近くの土手に集合出来る奴、初日の出を一緒に見よう"

と、水泳部員全員に一斉送信されていた。

「バカだろ……」

高臣は携帯をベッドのサイドボードに投げた。

「行きたい! ねぇ行こうよ?」

まゆなは、また夢の世界へ旅立とうとする高臣を揺さぶる。

「無理……眠い……」

高臣は気だるそうに答えると、瞳をとじる。

「えー、行こうよぉ」

まゆなは、先程よりも強く高臣を揺さぶった。

「……んじゃ…1時間経ったら……起こして……」

途切れ途切れそう言う高臣は、もう半分夢の世界にいる。

「約束だからね?」

そう言うと、まゆなは携帯のアラームをセットし、また高臣の腕枕に頭を預けた。
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