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硝子の初恋
第8章 かげり始めた幸せ
「やだ! 眞斗? 助けて! 眞斗ッ!!」

夢の中の自分が叫ぶ。

「眞斗─────…ッ!!」

自分の大声に驚き、ガバッと起き上がった。

「はぁ…はぁ…」

息は上がり、冬なのに汗だく。

心臓はバクバクと嫌な音を立て、目からは涙がボロボロと零れ落ちていた。

(何でこんな不吉な夢……)

まゆなは、涙をゴシゴシと手で拭った。

(こんなのが初夢なんて最悪!)

硝子みたいに粉々に割れた氷が、まるで自分のこの初恋の結末のようで、まゆなは震える。

(どうかお願いッ、誰にも壊されませんように!)

思わず胸の前で手を組み合わせ、天井を見上げる。

(このままずっと、眞斗と一緒にいられますように……!!)
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