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硝子の初恋
第9章 突然のサヨナラ
バーンッ

勢いよく屋上の扉が開き、まゆなが飛び出してきた。

「まゆ!?」

高臣の声に振り返るまゆな。

「─────う…そ……」

つぐみの両膝を持ち上げ、深くまでその猛りを挿入している高臣の姿。

全身の血が引いていく。そのまま、高臣もまゆなも固まっていた。

「あーあ、また途中でお預け。神崎さん、空気読んでよ?」

つぐみの声に、高臣は慌てて引き抜いたそれをしまう。

「う、浮気したら……」

震える声で、まゆなが言い掛ける。

「わかってる……まゆ、別れよ?」

自分で言った約束。自分で言い掛けた言葉。なのに実際高臣から別れを切り出されると、答える事も出来ずに、まゆなはただ立ち尽くしていた。

「ふふっ……あはは……あははははっ」

笑いが抑えきれないつぐみ。まゆなに勝ち誇ったような視線を向け、高臣に抱き付いている。

「なん……で……? 眞斗、もう昔と違うもん……。理由……あるんだよね?」

高臣からつぐみを引き剥がしたいのに、足が竦んで動けない。まゆなは必死に声を絞り出した。

「………………」

何も答えない高臣。つぐみを引き剥がし、地面を睨むように俯いた。
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