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硝子の初恋
第11章 再び重なる心
「ねぇ、眞斗……私、こう見えて結構強いんだよ?」

「ふーん?」

ドサッとあっけなく押し倒されるまゆな。

「……こんな簡単に倒されるのに?」

高臣は意地悪く言った。

「本気で暴れたら勝てるもん!」

そう言いながら、まゆなはジタバタと暴れる。だが、高臣はビクともしない。

「全然弱いじゃん?」

余裕をかます高臣に、

「こうなったら奥の手!!」

まゆなが高臣の脇腹をくすぐった。

「ぶはっ! ちょっ! ストップ! まゆッ、それ反則!!」

笑い転げる高臣。

久しぶりに見るその笑顔に、まゆなは泣きそうなくらい幸せを感じた。

(眞斗が笑ってる)

ただそれだけなのに、そんな当たり前だった事が、嬉しい。

(ヤバイ、嬉しくて泣きそう)

涙をごまかそうと、まゆなは更に高臣をくすぐった。

(またこうして笑い合える日が来るよね? 絶対絶対、また一緒に笑い合いたい……)

高臣の笑顔を見ながら、まゆなは強くそう願った。
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