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硝子の初恋
第12章 踏み出す勇気
高臣が無事に家に着いたとのメールを確認して、まゆなは幸せな気持ちで眠りに付く。

初夢の時のような悪夢に毎晩悩まされていたけれど、この頃はその頻度も減ってきた。

(今日はいい夢がみれそう……)

まゆなは口元を緩め、眠りに落ちていった。


階下では、まゆなの父親が帰宅していた。

母親は、先ほどの高臣の話を嬉しそうにしている。

「高臣くんはホントいい子! まゆはホントに素敵な彼を見つけたわ」

「うーん、妬けるなぁ」

恋人の母親にここまで言わせる高臣とはどんな男なのか、父親としては少し複雑な心境でその話を聞いている。

「もっと妬かせてあげようか?」

風呂上りのまゆなの姉あゆみが、3本のビールを抱えて両親の元へと歩み寄る。

「どんな話?」

すっかり高臣ファンになった母親が身を乗り出す。

「高臣くんが、まゆを守るために追い詰められてた話」

そうして、母親と姉の口から、つぐみの事もストーカーの事も、まゆなの父親の知る所となった。
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