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硝子の初恋
第13章 男としてのケジメ
まゆなが少し前まで気にしていた細く開いた屋上の扉。その陰から三つの顔が覗いていた。

「あ〜、まゆ色っぽい〜」

「沙有里ちゃん、しーッ!」

好奇心に瞳を輝かせる沙有里の口を、侑吾が慌てて塞いだ。

「お前への行為とは全然違うだろ? 思い知ったか!?」

侑吾の言葉に、顔を真っ赤にしたつぐみが頷く。

つぐみに対する時とは高臣の顔付きが全然違う。嫌々仕方なくの不機嫌な顔ではなく、恍惚として時に妖艶な表情。
その表情だけで、胸がキュンキュンと締め付けられ、身体が疼く程だ。

「ごめんなさい……」

つぐみが初めて謝罪の言葉を口にした。

「……俺らじゃなくてさ、眞斗とまゆちゃんに言ってやってよ?」

侑吾の言葉に、つぐみはまたコクリと頷いた。

「とはいえ、1ヶ月禁欲生活してたから、眞斗もすぐには収まらないだろうな。とりあえず俺らは教室戻ろうぜ?」

頷いたつぐみが歩き出す。

「沙有里ちゃん!」

うっとりとまゆなと高臣を見つめる沙有里の腕を引き歩き出す侑吾。

「あー、もっと見たいー!」

「ダメダメ、沙有里ちゃんには刺激強過ぎ」

「えー!? ロストバージンのお勉強するのぉ!」

ジタバタと暴れる沙有里。侑吾は沙有里の耳元に唇を近付けた。

「俺がちゃんと教えてあげるから」

ピタッと止まる沙有里の身体。
かぁぁぁぁぁっと茹でダコのように、沙有里の顔が真っ赤に染まった。
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