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硝子の初恋
第15章 それぞれの想い
「ねぇ…眞斗はもう進路とか決めてる?」

眠そうに目を擦る高臣に、まゆなが聞いた。

「んー? 大学行くよ」

高臣の言葉に、侑吾とソファーベッドに寝転んでいた沙有里が口を挟む。

「冬場の練習でお世話になってる大学から、スポーツ推薦の話があるんでしょ?」

「うーん……14年続けたからなぁ…もう水泳はいいかな」

高臣からの意外な答えに、全員が一斉に高臣を見た。

「え!? 勿体無い!」

「オリンピック目指さないんですか!?」

まゆなの言葉に同調した寧々がロフトから身を乗り出す。

「俺程度のレベルでオリンピックは無理だろ」

苦笑いする高臣。

「ていうか、眞斗はプレッシャーに弱いからまず無理だよな」

侑吾の言葉に高臣がガバッと起き上がり、侑吾を睨んだ。

「プレッシャーとか感じてたんだ!?」

まゆなの言葉に侑吾が答える。

「スタート前に必ずまゆちゃんを目で追うでしょ? あれね、昔は不安そうに母親を目で追ってたの」

「侑吾! やめろっ」

高臣が侑吾目掛けて枕を投げつけた。

「え? スタート前に私の方見てたんだ?」

「はぁ? 気付いてなかったのかよ!? 目ぇ合ってただろ!?」

「あ、うん…自意識過剰だと思ってた……」

まゆなと高臣の会話に、

「高臣先輩、かっわい〜」

戯けた沙有里を高臣は睨み付けた。
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