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硝子の初恋
第2章 変わってしまった関係
でも……

「高臣先輩、特に上半身がガッチリしてるから、あの窓はキツかったでしょ?」

思ったままを口にして、高臣の胸板に触れるまゆな。

長年の水泳で鍛え上げられた高臣の身体は、マッチョとまではいかず、かといって細くもなく─────

「女の人が男の人に求める、理想的な筋肉の付き方ですよね」

「……セクハラ?」

「え?! あ、ごめんなさい!!」

ベタベタと高臣の身体を触っていた事に気付き、まゆなは慌てて手を引っ込めようとする。

「まゆ……」

まゆなの手を、高臣が掴まえた。

「お前、今、話逸らしただろ……」

高臣に顔を覗き込まれ、まゆなは顔を真っ赤にする。

「ま、いいけど……」

スッと高臣の身体が離れ、まゆなは少し寂しくなる。

(好きなのに付き合えないなんて……なんか苦しいな)

今すぐにでも"大好き!"と、高臣の胸に飛び込みたい。

でも、"好き"と言う感情は求められていない気がする。

(それに、他の女除けのために付き合うなんて虚し過ぎる)

まゆなは唇を噛んで、必死に涙を堪えた。


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