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硝子の初恋
第3章 後悔先に立たず
文化祭の片付けも落ち着き始め、教室に入り、部活やクラス単位で反省会を開き始める。
先程までの賑やかさが嘘のように、校内は静かになっていった。
「先輩……眞斗先輩!」
屋上で昼寝をしていた高臣は、突然、女子生徒に揺り起こされた。
「眞斗先輩……好きです!」
屋上に、女子生徒の声が響いた。
「あのさ、俺、知らない奴に名前で呼ばれんのムカつくんだわ」
高臣の言葉に、女子生徒は小さな声で謝る。
「たっ、高臣先輩ッ、好きです」
「ふーん、だから?」
高臣は興味なさ気に手すりに寄りかかる。
「つ…付き合って下さい……」
「俺、あんたの学年も名前も知らない」
「あ、一年の立石つぐみです。昨日の文化祭で一年のお姫様に選ばれた」
「……ふーん」
(一年のお姫様? まゆの方がかわいいじゃん)
まさか高臣がそんな風に考えているとは知らず、高臣に見つめられ、つぐみは真っ赤になって固まっている。
背中の真ん中辺りまで伸びたストレートの黒髪。つぐみの大きめな黒い瞳が更に大きく見開いている。
父親が会社社長をしているからか、立ち振舞いも上品で、日本人形のような顔立ちが、性格も控えめのような印象を与える。
先程までの賑やかさが嘘のように、校内は静かになっていった。
「先輩……眞斗先輩!」
屋上で昼寝をしていた高臣は、突然、女子生徒に揺り起こされた。
「眞斗先輩……好きです!」
屋上に、女子生徒の声が響いた。
「あのさ、俺、知らない奴に名前で呼ばれんのムカつくんだわ」
高臣の言葉に、女子生徒は小さな声で謝る。
「たっ、高臣先輩ッ、好きです」
「ふーん、だから?」
高臣は興味なさ気に手すりに寄りかかる。
「つ…付き合って下さい……」
「俺、あんたの学年も名前も知らない」
「あ、一年の立石つぐみです。昨日の文化祭で一年のお姫様に選ばれた」
「……ふーん」
(一年のお姫様? まゆの方がかわいいじゃん)
まさか高臣がそんな風に考えているとは知らず、高臣に見つめられ、つぐみは真っ赤になって固まっている。
背中の真ん中辺りまで伸びたストレートの黒髪。つぐみの大きめな黒い瞳が更に大きく見開いている。
父親が会社社長をしているからか、立ち振舞いも上品で、日本人形のような顔立ちが、性格も控えめのような印象を与える。