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サイドストーリー10
第5章 好きと言って
「今日は七夕だなぁ」
店の入り口に飾られた、小さい笹を見てそういう。
「そうですね・・・
私たちは雨でも会えて幸せです」
「そうだな。今年は彦星と織姫は会えないか」
「好きな人と会えないなんてかわいそうに・・・」

数年前の自分を思い出す。

どんなに好きでも
どんなに想っていても
好きな人に会えないつらさを
私は知っている。

「でもな・・・」

レン先輩がぽつりと言った。

「好きな人がいないよりいい」
「え?」
「誰かを好きになる、愛しく思うってすごいことだよ」
「・・・・」

「例え会えなくても、そう思える相手に出会えただけで幸せだよ」
「・・・・」
「俺と・・・出会ってくれてありがとう」


「梨乃。好きだよ」

その一言が欲しかった。



万代(よろずよ)に照るべき月も雲隠り苦しきものぞ逢はむと思へど

―いく千年も照るはずの月も 雲に隠れ(織姫に)会えないのは苦しいことだ
  あなたにこんなにも逢いたいのに―
(万葉集2025)


END****


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