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蜜月非行【1】 〜フリーズ・破廉恥ショー〜
第10章  ギルティ
 優夏は、樹生の姿がないことを確認した。
 昨日のメールのやり取りで、樹生は朝から外回りと言っていた。
 優夏は少し安堵した。
 樹生に対する罪悪感が、今はまだ会いたくない理由である。

 そして優夏の視線は、事務所奥にある席へと向けられる。
 その席は、優夏の動きを封じて体と心を弄んだ、部長の小林の席である。
 しかし、小林の姿はなかった。
 “部長が遅刻?まさかね…”
 そこへ由紀がやってきた。
「なんか部長、今日から明後日まで出張らしいわよ」
「えっ」
「なんでも、お客様との打合せだって」
「そうなんですか」
 “まじ、助かった…”
 心の中で喜ぶ優夏。
「でもさ、おかしいと思わない?」
「えっ!」
「打合せで3日出張なんて、あり得ないと思うんだけど」
「まあ、確かに…」
 由紀の言う通り、優夏も違和感を感じた。

 それでも優夏は、小林が3日間いないと知り、ひとまず胸を撫で下ろした。
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