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蜜月非行【1】 〜フリーズ・破廉恥ショー〜
第6章  トラップ
 …
 倉庫の電動シャッターが下りるのを待つ二人。
 そこへ一台の車がやって来る。
「あっ!来たっ」
 それに反応する由紀。

 やって来たのは、由紀の彼氏だった。
 由紀はスマホで連絡を取り、彼氏に迎えに来てもらったのだ。
 車で家まで送ると由紀に言われたが、優夏は断った。
 優夏の住むアパートは、倉庫の目の前のバス停から乗って5分程度と近く、以前は徒歩で通勤していた。

 戸締りは任せてと、優夏は由紀を先に帰した。
 由紀を見送り、倉庫の脇にある階段を上がる優夏。
 この上には、優夏が半年前まで通勤していた事務所がある。
 嫌な思い出の場所ではあるが、優夏は懐かしさを感じていた。
 …
 2階に上がり、事務所のドアにカギを差し込む優夏。
「あれっ!?」
 事務所のドアは、施錠されていなかった。
 “確かにかけたはずなのに…”
 事務所から倉庫のカギを持ち出したのは、優夏である。
 その際、間違いなく施錠したはずだった。

 不審に思いながら、ドアを開ける優夏。
 事務所の灯りは点いている。
 それは、優夏が点けっぱなしにしたからである。
 “まさか、泥棒とかいないわよね”
 恐る恐る中へと入っていく優夏。
 すると、点けていないはずの灯りまでもが点いているのに気付いた。
 “やだっ!誰かいるの?”
 優夏は音をたてぬよう、奥へと進んだ。
 すると、一番奥の席に人が座っているのが見えた。
 “えっ!誰?”
 優夏は怯えながらも歩を進め、誰なのかを確認しようと試みることにした。
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