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蜜月非行【1】 〜フリーズ・破廉恥ショー〜
第6章  トラップ
 茶封筒を手にした小林。
「これ、珍斉先生からだ」
「何でしょうか?」
 白々しく分からないふりをする優夏。
「はははっ、ショーの出演料だそうだ」
「頂いてよろしいんですか?」
「勿論。先生は大変満足していたよ」
 そう言って小林は、茶封筒を優夏に差し出した。
「そうですか。有難く頂きます」
 優夏は頭を下げ、両手で茶封筒を受け取った。

 茶封筒をカバンにしまい、帰り支度を始める優夏。
 そんな優夏を見つめる小林。
「そういえば、どうだった?」
 小林はそう言いながら、閉じていたノートパソコンのふたを起こした。
「なんのことですか?」
「なにって、舞台でイッた時のことだよ」
 小林はニヤけ顔で、パソコンのキーボードをたたき始めた。
♪カチッ…カチャカチャッ…
 一方の優夏は、固まっていた。
「小栗君、質問しているんだから答えたまえ」
 小林はパソコンに向かいながら、答えるよう要求してきた。
 優夏の表情が変わる。
「それって、答えなきゃいけないことなんですかっ!」
 優夏は怒り、小林の座る机の前に戻ってきた。
「ああ、ちょっと待ってくれたまえ」
 平然とキーボードをたたき続ける小林。
♪カチッ…カチャカチャッ…
 “なに?なにしてるのよっ”
 小林の人を舐めた態度に、怒り心頭の優夏。
♪カチャッ…
「これでよしとっ」
 なにやらことを終えた小林は、目の前に立ち尽くす、優夏の顔を見上げた。
「小栗君、そんな怖い顔してどうした?」
 “なによっ!こいつっ”
 優夏は怒りを抱きながらも、ぐっと言葉を呑み込んだ。
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