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蜜月非行【1】 〜フリーズ・破廉恥ショー〜
第6章  トラップ
 静けさに包まれる室内。
 すると小林は、パソコンをいじりだした。
♪カチッ…カチャカチャッ…カチッ…カチャカチャッ…
 キーボードを叩く音だけが、室内に響く。

 更に怒りを募らせる優夏。
「なっ…なにを…しているのよっ」
 机に突いた優夏の両腕は、怒りで震えていた。

 そんな優夏を見て、不敵な笑みを浮かべる小林。
「小栗君、音楽でも聴いて落ち着きたまえ」
 そう言うと小林は、パソコンのマウスをクリックした。
♪カチッカチッ…
 すると、パソコンから音楽が鳴り出した。
 ♪♬♩♪♬
 流れてきたのは、クラシック音楽だった。
「こっ…これって!?」
 聞き覚えのある楽曲に、優夏の背筋が凍りつく。
「うそでしょ!?」
 優夏は体を動かせなくなっていた。

 パソコンから流れるクラシック音楽は、催眠術ショーで使われた曲。
 そう、優夏の動きを止める❝魔法の曲❞だった。
「なっ…なんでっ!」
 声を上げ、必死に体を動かそうとする優夏。
 だが、動かせるのは顔のパーツと腰だけである。
 またもや優夏は、催眠術ショーの時と同様、体の自由を奪われてしまったのだ。

 体を動かすことが出来ず、焦る優夏。
 そんな優夏を、じっと見つめる小林。
「おお、本当に動けないようだな」
 そう言うと、小林は立ち上がった。
「えっ!」
 大きな不安が、優夏を包む。
 小林は机を廻り、優夏の元へと近づいていく。
「いっ!いやっ」
 優夏は怯えながら、小林の動向を視線で追った。
 真横まで追ったところで、小林の姿は優夏の視界から消えた。
 “うしろにいるよね?”
 顔も動かせない優夏は、背中から感じる気配に怯えていた。
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