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転生悪役令嬢は甘く、乱される。
第4章 傷を孕む、義弟との出逢い
――コンコン。
控えめに扉をノックしてみた。
けれど、ラドルフからの返答は無い。
「ハァハァ……たい、痛いよ、お母様…っ」
「!」
扉越しに聞き耳を立てて、耳にしたその言葉に。
私は居てもたってもいられなくなり、扉をそっと開いて、すぐ横にあるラドルフの寝室に足を踏み入れた。
ベッドの上ではうなされて、身じろぎを繰り返すラドルフの姿。
「ラドルフ……大丈夫。私がいるわ……」
うなされているラドルフに何か出来ないかと、私は小さなその手を取り、両手で包み込む。
「ハァ…ハァ…う……っ、んん」
眠っていても、温もりは感じるのだろうか。
荒かった呼気が次第に落ち着きを取り戻し、閉じていた瞼がうっすらと開いた。