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転生悪役令嬢は甘く、乱される。
第4章 傷を孕む、義弟との出逢い


もう一度ぎゅうっとラドルフの手を握りしめ、微笑みながら自分の頬にその手を擦り寄せる。

夜目にも、白い頬に赤みが差し、ラドルフが恥ずかしそうに私から視線を反らした。

――と、その時。

グウウウウ……。


「……あっ」


目の前から盛大なお腹の虫が鳴り響いた。


「クスッ、お腹が空いたの?」

「う、うう……」


あまりにも大きなお腹の音に、私はつい笑ってしまう。

ラドルフは恥ずかしさのあまりに、顔をさっきよりも真っ赤に染め上げて唇をわなわなと震わせていた。


「よーし。じゃあ、お姉様がとっておきのご飯を作ってきてあげる!」

「とっておき??」

「そう。とっておき! ちょっと、待っててね」


タタタッと小走りに駆け出し、ラドルフの部屋から廊下へ出る。

そうと決まれば、行動あるのみ!

でも夜中だし。

勝手に部屋から抜け出したことを誰かに知られたら、お叱りは免れない。


(……だから、忍び足で素早く。任務遂行よ…!)


抜き足、差し足で、この3ヶ月間で覚えた屋敷の間取りを浮かべながら、厨房に向かう。

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