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転生悪役令嬢は甘く、乱される。
第4章 傷を孕む、義弟との出逢い


「――ラドルフ、ごめんね。待った?」

「う、ううん、大丈夫。それが……お姉ちゃんのとっておき??」

「! う、うん。そうよ! おにぎりって言うのよ!」


この時、ラドルフから初めてちゃんと“お姉ちゃん”と呼ばれ、嬉々として小皿に乗ったおにぎりを差し出す。


「おに…ぎり……初めてかも。こんな食べ物」


私が転生前に居た日本では当たり前の文化料理だったけど、やっぱりこっちの世界には無いんだ……。

それが少し寂しくもあり、改めて私は別世界に来てしまった事を痛感する。


「……本当にこれ、食べてもいいの?」

「もちろんよ! むしろ、ラドルフの為に作ったんだから! さぁ、食べて食べて!」

「う、うん。じゃあ――」


恐る恐るといった手つきでおにぎりを手に取り、ラドルフの小さな口が開いて、はむっとかぶりつく。


「!!」


その瞬間。

いつもは伏し目がちの金色の瞳が見開き、最初の一口を飲み下したと思うと、おにぎりを夢中で頬張るラドルフ。

これはどうやら、気に入ってはくれたのかな?

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