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転生悪役令嬢は甘く、乱される。
第7章 碧の瞳に囚われて
「ごめん、ラドルフ。今なんて……」
「俺は……からかってなんかない。俺は本気で姉さんの事が――!!」
「あ……」
優雅に奏でられていた音楽が途絶え、一曲目のダンスが終わる。
つまりはパートナー交代のタイミングだ。
「ラドルフ様! 次は是非、私と!」
「いいえ。でしたら私と!」
「貴女達邪魔よ、私が――」
一人、また一人と。
派手に着飾った令嬢達がここぞとばかりに、ラドルフの周りに集まる。
「えっ……あ、ね、姉さ……っ」
鬼気迫る勢いの令嬢の群れに逆らえず、ラドルフと私の距離はどんどん離れていく。
さっき、ラドルフは私に何か言おうとしてた。
それが気になったものの、声を掛ける暇も無く、次の曲が奏でられる。
「……ご令嬢。良ければ、次は私と一曲」
「え? あ……」
幾分か年上の男性が私の前に跪き、ダンスを乞う礼式に沿って左手に口付けられる。
「え、ええ。喜んで」
正式なダンスの誘いを断る訳にもいかない。
誘われた男性の手を取り、再び中央のフロアに躍り出る。