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転生悪役令嬢は甘く、乱される。
第7章 碧の瞳に囚われて
(ラドルフのさっきの目……あれは本気だったわ)
『俺は……からかってなんかない。俺は本気で姉さんの事が――!!』
私の事が……まさか、好き、とか。
(いやいや、そんなまさか)
私だってラドルフの事は好きよ。
けれどそれは、あくまでも弟としてだ。
ラドルフだって、私の事を姉さんと慕ってくれているもの。
姉と弟である以上。
それ以上にも、それ以下にもなり得ない。
(そう……私達は姉弟なんだから)
本当は薄々と感じていた癖に。
私はラドルフの想いから目を背け、見ない振りをする。
姉として慕われている、今の関係を壊したくなかったから。
――だって私は、ラドルフの姉なのだから。