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生意気少女に制裁を
第1章 始まり
私立輝夜坂高校は、地元でも有名な進学校であった。その学校の中でも一際目立つ生徒がいた。名前を笠井莉央といい、勉強もスポーツもソツなくこなす優秀な生徒である。身長は165センチ、程よく引き締まった身体にEカップのバスト、艶のある美しい黒髪に眉目秀麗という言葉が相応しい顔、正にヒロインのテンプレートのような美少女だ。おまけに親は大企業の社長という誰もが羨むような人生の勝ち組である。
しかし、彼女にはひとつの欠点があった。その恵まれた人生ゆえ、とんでもなく生意気なのである。だからといって周りの人間は皆彼女を嫌うわけでもなく、媚びを売るように機嫌をとって仲のいいフリをした。どんなに自己中心的で性格が最悪であっても、彼女の地位や美しさがそうさせてしまうのだ。
「皆おはよう!」
莉央がそう言いながら2年C組のドアを開くと、教室中の生徒は男女問わず口々に挨拶を返した。彼女が席に着くと、あっという間に取り巻きの女子生徒が周りを取り囲む。
「今日も可愛いね〜莉央は」
「そんなことないよ」
「もしかしてリップ変えた?その色可愛い〜」
「あ〜これね、でも色白じゃないと似合わない色だよ」
リップを褒めていたはずの女子は、眉根をひくつかせて無理に笑ってみせる。莉央は遠回しに「お前は色白じゃないから似合わない」と言ってみせたのだ。周りの女子は皆その酷い言葉に気づいていたが、それよりも莉央の機嫌を損ねないようにするのに必死だった。
「笠井さん、化粧も化粧品の持ち込みも校則違反ですよ」
急に放たれたその一言で、騒がしかった女子はしんと静まり返った。
「は?」
明らかに機嫌の悪そうな莉央の声に、周りの女子は焦り始めて口々にその原因となった人物へ言葉を投げた。
「根元さん、空気くらい読んだら?」
「そうだよ、先生に注意されたことなんて一度もないんだしさぁ」
「莉央が可愛いからって嫉妬してるんじゃないの〜?」
取り巻きに自分のフォローをさせて勝ち誇ったような笑みを浮かべた莉央だったが、根元と呼ばれた少女はため息をついてまた言葉を続ける。
「あなた達もみんな笠井さんのこと内心では嫌ってるくせに、馬鹿みたい。化粧のこと、先生に報告するから」
そう言って根元は自分の席に戻ろうと歩を進める。その会話によって教室内は氷河期のような空気になった。
しかし、彼女にはひとつの欠点があった。その恵まれた人生ゆえ、とんでもなく生意気なのである。だからといって周りの人間は皆彼女を嫌うわけでもなく、媚びを売るように機嫌をとって仲のいいフリをした。どんなに自己中心的で性格が最悪であっても、彼女の地位や美しさがそうさせてしまうのだ。
「皆おはよう!」
莉央がそう言いながら2年C組のドアを開くと、教室中の生徒は男女問わず口々に挨拶を返した。彼女が席に着くと、あっという間に取り巻きの女子生徒が周りを取り囲む。
「今日も可愛いね〜莉央は」
「そんなことないよ」
「もしかしてリップ変えた?その色可愛い〜」
「あ〜これね、でも色白じゃないと似合わない色だよ」
リップを褒めていたはずの女子は、眉根をひくつかせて無理に笑ってみせる。莉央は遠回しに「お前は色白じゃないから似合わない」と言ってみせたのだ。周りの女子は皆その酷い言葉に気づいていたが、それよりも莉央の機嫌を損ねないようにするのに必死だった。
「笠井さん、化粧も化粧品の持ち込みも校則違反ですよ」
急に放たれたその一言で、騒がしかった女子はしんと静まり返った。
「は?」
明らかに機嫌の悪そうな莉央の声に、周りの女子は焦り始めて口々にその原因となった人物へ言葉を投げた。
「根元さん、空気くらい読んだら?」
「そうだよ、先生に注意されたことなんて一度もないんだしさぁ」
「莉央が可愛いからって嫉妬してるんじゃないの〜?」
取り巻きに自分のフォローをさせて勝ち誇ったような笑みを浮かべた莉央だったが、根元と呼ばれた少女はため息をついてまた言葉を続ける。
「あなた達もみんな笠井さんのこと内心では嫌ってるくせに、馬鹿みたい。化粧のこと、先生に報告するから」
そう言って根元は自分の席に戻ろうと歩を進める。その会話によって教室内は氷河期のような空気になった。