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純愛不倫
第4章 【第四章】

亜美「私、会社で斎田さんに会うのが毎日の楽しみでした。偶然会えた日は、すごい嬉しかった。」
私に合わせて、彼も起き上がった。
そして、私の手を握ってくれた。
2人の手に視線を変え、話をつづけた。
亜美「一緒に帰った日、斎田さんが声をかけてくれた時から、私も斎田さんのこと男の人として見てました。あぁ、素敵だなって。デートしている時も、すごく楽しくて幸せで・・・。」
気持ちを伝えていたら、急に涙があふれてきた。
翔太を、思い出していた。
ここに向かうときは、あんなに邪険に思っていた旦那との
たくさんの思い出を、鮮明に思い出した。
ついさっきの気持ちとは打って変わって、
踏みとどまりたくなった。
そんな私の気持ちを汲み取ってくれたのか、
彼は涙を指で拭ってくれ、
無理しなくていいと、頭をなでた。
違う、と首を横にふり、彼を見た。
頭をなでてくれた手は、頬に触れていた。
亜美(ごめん、翔太・・・わたし、、)
彼の手に自分の手を重ね、
逆の手はシーツを握り締め、伝える。
亜美「わたしも斎田さんが好きです。どうしようもなく、好きなんです。」
また、涙があふれた。
斎田「亜美・・・。」
彼はもう片方の手も、頬に添える。
両頬を彼の手に包まれて、泣き顔のまま彼を見つめる。
そして、キスをした。
今日はこれだけでは終わりそうもないと、わかりながら、
キスを受け入れた。
涙の理由を忘れるように、振り切るように、
彼に抱き着いた。
それから、堰を切ったように、
今までにない、濃厚なキスをした。
始めてしまった、終わりを。
そんなことを、頭の片隅で思っていた。

