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ブレインウォッシャー
第1章 掘り出し物
 困った。友妃を手放したくなくなった。今は自意識を催眠で抑圧して快楽に溺れさせているからこんな事を言ってくれているが、催眠が解け本来の自分を取り戻した時どうなるのだろう。最悪俺は婦女暴行、傷害、拉致と罪名が重なり実刑判決が下る。まあ、それもいいか。と半端自棄気味になる。俺が犯罪者になっても困る肉親は居ない。可愛がってくれた祖父母は四人とも墓の下だ。二親は互いに不倫しあい醜い喧嘩の末離婚して各々のパートナーと再婚したそうだがそこから先は知らない。俺は大学出るまでは金銭援助させる約束でアパートを借り二人からせしめた金とバイト代で月10万円程貯金しながら生活している。離婚したのが高2の初夏だったからもう5年か。俺が捕まって迷惑するのはこの二人くらいだろうがこれは是非迷惑を被ってもらいたいものだ。
 決めた。

 俺は服を着た友妃を一回りさせる。あれ程乱暴に扱ったのに露出している肌には青短一つない。はっきり言ってこれは奇跡だ。
 おれは友妃に催眠術をかけている事を告白した。その上で本名澤村慎哉を名乗り住所と電話番号も教えた。警察に駆け込む時の証言材料にすればいい。
 どんな結論を出そうが友妃を恨まないと約束しホテルでの全てを収めたSDカードを渡して先に友妃を帰らせた。
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