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地味子が官能小説を書いたら
第10章 初夏の頃
流留と一緒に、駅前の西友で買い物をする。

カレーの材料はいたってシンプルだ。肉、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、そしてカレールー。

買い物かごに食材を放り込んでいく。

「俺、東京に出てきたとき、こうやって女の子と一緒に買い物って、憧れてたんっすよ」

「それが、花音先輩みたいな可愛い子と夢が叶うなんて、俺、今日のこと一生忘れないっす」

「オーバーなんだから」と笑う私。

「そんなこと言っても、遅刻した罪は消えないからね」

「まだ怒ってるんっすか? 執念深いな~」

「悪かったわね、執念深くて、買うもの買ったら行くわよ」


レジを済ませ、私たちは流留の部屋へと向かう。



ぼろ…………



流留のアパートも、私のアパートに負けず劣らずの佇まいだった。

階段を上ると、ミシミシと床が鳴る。流留の部屋は2階の両隣に挟まれた部屋だった。

「ここも随分古い建物ね、わたしのアパートも似たようなものだけど……」

「築45年っすからね、おかげで家賃は安いっす」

「ここっす」と言って、ガチャガチャと鍵を開け、部屋に入った瞬間、私は「ウッ」とむせってしまう。

日はとっくに上っているというのに締め切ったカーテン。部屋の中はジメっとしていて、湿気が充満している。

そして、何よりも耐え難いのが、男の子の匂いが通勤電車の数十倍はこもっている。

「ねえ……ここに、わたしに入れというの?」

「え、だって入らないと、ご飯作れないじゃないっか」


「まず、カーテンを開けて!」

「それから、窓も! 空気を入れ替える!」


「女の子が来るのに、少しは綺麗に迎える気はないの?」

「これでも片付いてる方っすよ」

ブツブツ言いながら、カーテンを開け、窓を開ける流留。

すう~、と邪気が抜けていく気がした。

流留の部屋に足を踏み入れるが、6畳間の畳は、床がトランポリンのように不安定だ、そこに布団が敷きっ放しになってる。

たった今まで寝ていたことが伺えた。

「あ、お布団、今、片付けますから」と布団を畳もうとする流留を「ちょっと、待ったー!」と私は制した。

「せっかくお天気良いんだから、お布団も干そうよ」

「ええ~、めんどくさいな」

「ダメ! ベランダがあるんだから、干しなさい、それにシーツも洗っとこう」




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