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地味子が官能小説を書いたら
第11章 ラストショー

「いい加減にしろ!!」
突然、流留の大きな声が、ベッドルームに響いた。
その声の大きさもだが、流留が怒りを露わにしたことに、私は驚く。
そして、次の瞬間、流留の身体が私の上に覆い被さってきた。凄い力で私を押さえつける。
「きゃっ、イヤ」思わず私は抵抗してしまう。
私の抵抗に、流留から力が抜ける。
「ほら、イヤなんじゃないか」
流留は私から離れると、背を向けた。
「流留……」
「俺、花音先輩の事が好きです、大好きです!」
「……だから、いつか……花音先輩の彼氏になってぇーーー」
また流留の声のトーンがあがる。
「いつも一緒にいて、花音先輩がいつも笑顔になれて、俺の事を好きになってくれたら」
「たくさんオッパイをモミモミ・ペロペロしたいと思ってます 笑」と自分で言っておきながら照れ笑いする流留。
ふ~、と流留は吐息をつくと、私の方へ向きなおる。
「でも、それはオウンゴールじゃなくて……」
「自分のシュートで決めたいっす」
「『好きな人を桐谷先輩に取られたからイイや』とか、『流留でイイや』とかじゃなくて、『流留が好きだから』であって欲しいんっす」
「俺の事が好きでもないのに、こんな事されたら、俺だって傷つきます」
「花音先輩も、後悔しますよ」
そうだ、文剛に好きでもない相手に好意的な行為をするなと言ったのは私だ。
私は、そうされることの痛みを誰よりも知っていたはずなのに、流留を傷付けてしまった。
「ごめんなさい……流留」
「あの人と、何があったか俺は知らないけど、花音先輩は、ちゃんと気持ちを伝えたんすか?」
「うん……好きだって言った……」
「いやいや、花音先輩を好きだという男の前で、他の人に好きだと告白したなんて、堂々と言わないでくださいよ」
「なによ、流留が聞いたんじゃない」
「で、告白して、それだけ?」
「んん~、返事をもらう前に『他に好きな人いる』と思って逃げだしたか……な」
「これだ、思い込みが激しくて、めんどくさくて、突拍子もないことして、自爆して」
「花音先輩って、そればっか」
私の悪い部分を言い並べられて、私はちょっと気分が悪くなる。
「なによ、流留のくせに」
「なんだよ、花音のくせに」
(ううーー、立場が逆転してしまった)

